
NPR が伝えたところによれば、2012年の自転車新車販売台数は EU 全体でおよそ1,970万台だった。これに対し、自動車の新車販売台数は1,205万台に留まったという。自動車の販売台数は、ここ20年で最低のレベルにまで落ち込んだ。

(出典:NPR)
NPR が驚きを持って伝えたのは、スペインの自動車販売状況。スペインは自動車好きが多いことで有名だが、2012年には記録上初めて、自転車の販売台数が自動車を上回った。2012年のスペインにおける自転車の販売台数は78万台。これに対して自動車は70万台だった。
やはり自動車好きが多いことで知られるイタリアでも状況は同じ。2012年のイタリアの自転車の販売台数は160万6,000 台。これに対して自動車は140万2,000台だった。イタリアで自転車の販売台数が自動車を上回ったのは、第2次大戦後初めてのこと。
自動車の販売台数が落ち込んだ最大の理由は、世界的な不況が原因とされている。中でも、欧州の経済状況は特に厳しいという。

経済状況が芳しくない国が多いという
(出典:NPR)
だが、自転車の販売台数が自動車を上回った理由としては、欧州諸国における自転車の利用促進政策もあげられる。中でもデンマークは、コペンハーゲンとその郊外を結ぶ26本の自転車専用道を作り、「サイクリングスーパーハイウェイ」を構築予定となっている。

コペンハーゲン市の職員である Lars Gaardhoj 氏は NPR のインタビューに対し、次のように述べている。
「(サイクリングスーパーハイウェイは)自転車を利用する人たちにとっての、非常に高速な移動ルートとなります。これまで自転車専用道は、自動車が走行しない道に作られていました。今後自転車は、自動車に挑戦することになります」

コペンハーゲンでは、サイクリングスーパーハイウェイが完成すれば、1万5,000人が自動車から自転車に切り替えると見られている。
また、サイクリングスーパーハイウェイは、コペンハーゲンの環境と住民の健康にプラスの影響を与え、コペンハーゲンの医療システムは年間に6,000万ドルの費用削減が可能になると期待されている。

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