電車は駅に停車する度に減速と加速を繰り返している。もし、途中駅で停車しなくて済むようになれば、電車はより早く最終目的地に到着可能になるし、惰性で走行可能な区間が延びることで、省エネにもなるだろう。

中国人デザイナー Chen Jianjun 氏は、「駅に停車しない電車」のデザインコンセプトを発表した。この新しい電車では、乗客は駅のホームではなく、電車上部に取り付けられる「ポッド」内に座って電車を待つことになる。


「駅に停車しない電車」のデザインコンセプト  乗客は電車上部に取り付けられる「ポッド」を利用して乗車する
「駅に停車しない電車」のデザインコンセプト
乗客は電車上部に取り付けられる「ポッド」を利用して乗車する

このシステムでは、駅のホームには常に1台の「ポッド」が停車しており、乗客はこのポッド内に着席して電車を待つ。電車が駅を通過する際、ポッドは電車の屋根上にロックされ、乗客はポッドから階段で客車内に下りて乗車する。

乗客はポッドに乗り込み
乗客はポッドに乗り込み

電車を待つ
電車を待つ

ポッドは電車の屋根上にロックされ  乗客はポッド内から階段を使って客車内に下りる
ポッドは電車の屋根上にロックされ
乗客はポッド内から階段を使って客車内に下りる


電車から下車する場合は、乗客はポッドに乗り込んで待つ。ポッドは、目的駅手前で電車から切り離され、ポッド専用レールの上を滑って駅のホームに静かに停車する。これにより、乗客は安全に下車できるという。

下車する乗客が乗ったポッドは、停車駅手前で電車からリリースされ
下車する乗客が乗ったポッドは、停車駅手前で電車からリリースされ

ゆっくりと駅のホームに近づく
ゆっくりと駅のホームに近づく

ホーム到着後、乗客はポッドから下車する  ポッドは、次の電車に乗り込む乗客によって利用される
ホーム到着後、乗客はポッドから下車する
ポッドは、次の電車に乗り込む乗客によって利用される

Jianjun 氏によれば、北京から広州まで電車で旅をした場合、電車は30程度の駅に停車することになるという。各駅で乗客の乗降に5分かかった場合、合計で2時間30分が消費されてしまう。だがこの新しいシステムが実現すれば、北京から広州間の電車での移動時間を、理論上は2時間30分短縮できることになる。

また Jianjun 氏は、このコンセプトが実現すれば、電車が駅毎に停車と発車を繰り返す必要がなくなるため、エネルギーの節約にもなるとしている。


停まらない電車のデザインコンセプト