マイケル:「キット、いい知らせがあるんだ」

キット:「なんですか、マイケル」


マイケル:「ナイト財団に頼らないでも『ナイト2000』が作れるんだ」

キット:「それは聞き捨てならないですね」

マイケル:「富士通テンが、自然な英語で話しかけて使える対話型音声認識カーナビの試作に成功したんだとさ」

キット:「試作レベルなんですね。きっと私の足元にも及びません。キットだけに」

マイケル:「いつから親父ギャグを言うようになったんだ」

キット:「先週火曜のアップデートからです」

試作システムのイメージ  マイケル:「ナイト2000とはずいぶん違うな」
試作システムのイメージ
マイケル:「ナイト2000とはずいぶん違うな」


マイケル:「(余計な機能を追加しやがって……)まぁいい。カーナビと Wi-Fi 接続したスマートフォンを組み合わせてフロントエンドに使い、外部にあるセンターサーバーで音声認識や文脈理解、検索、返答用の音声合成てな処理をやるらしい」

キット:「複雑な処理は、サイズ面で制約ある車載システムでなく外に頼ったわけですね。悪くないソリューションです」

マイケル:「ああ、音声の認識や合成にはデカイ辞書が有利だし、意味理解エンジンやノイズ除去の処理負荷は高いからな」

複雑な処理は外部のセンターサーバーに頼る  キット:「悪くないソリューションです」
複雑な処理は外部のセンターサーバーに頼る
キット:「悪くないソリューションです」


キット:「私がどれほど優れているか理解できましたか」

マイケル:「なぜ自分に都合のいい結論を出そうとする」

キット:「おっしゃっている意味が分かりません。マイケルの英語は発音が悪くて認識できません」

マイケル:「俺たちは英語でしゃべってたのか」

キット:「もちろんそうです。米国ドラマですから」

マイケル:「先へ進もう。この試作システムは、『Mobile World Congress 2014』って展示会で拝めるらしいぞ」

キット:「興味ありません」

マイケル:「そう言うな。2月24日からだ。行ってみようぜ」

キット:「場所はどこですか」

マイケル:「スペインのバルセロナだ」

キット:「大西洋の向こう側ではないですか。私は泳げないから嫌です」

マイケル:「水上シンセサイザーがあるだろ」

キット:「先週のアップデートで使えなくなりました」