英国リヴァプール大学は、薬のカプセルのような形状の自転車「Arion1」を開発している。同大学はこの自転車で、人力による世界最高速度の達成を目指す。


英国リヴァプール大学が開発する「Arion1」
英国リヴァプール大学が開発する「Arion1」

横から見ると、薬のカプセルのような形状をしている
横から見ると、薬のカプセルのような形状をしている

「Arion1」を開発しているのは、リヴァプール大学の Velocipede チーム(University of Liverpool Velocipede Team:ULVT)。同チームは、「Arion1」の空力特性は、ブガッティ・オトモビルが製造しているスーパーカー「ヴェイロン」よりも40倍優れていると主張している。


高い空力特性を持つことで知られるスーパーカー「ヴェイロン」  だが、「Arion1」の空力特性は「ヴェイロン」の40倍優れているという
高い空力特性を持つことで知られるスーパーカー「ヴェイロン」
だが、「Arion1」の空力特性は「ヴェイロン」の40倍優れているという

現時点での自転車による世界最高速度は、時速133.78キロ。これは、オランダのデルフト工科大学とアムステルダム自由大学のチームによる自転車「VeloX3」により、2013年9月に記録されたものだ。「Arion1」はこの記録を破り、時速145キロを達成して、世界最速の自転車になることを目指している。

時速133.78キロを達成した「VeloX3」
時速133.78キロを達成した「VeloX3」

世界記録を実現するために、ULVT は「Arion1」の重量を25キロ以下に削減するよう努めているという。搭乗者は地面からわずか13センチの位置に座り、人力で700ワットのパワーを生成する。このパワーは、17:1 というギア比のトランスミッションを経て、ホイールに伝達される。

「Arion1」の設計をする ULVT
「Arion1」の設計をする ULVT

「Arion1」が新記録達成に挑む舞台は、2015年9月に米国ネバダ州で開催される「World Human Power Speed Challenge(WHPSC)」。チームリーダーの Ben Hogan さん(22歳)は、このイベント参加にあたり、次のように述べている。

「我々は2015年のイベント参加にとても興奮している。イベント参加により、英国における環境に優しい移動手段開発の先進性を、世界に示すことができる」