こんな日には、氷でできた自動車に乗って涼みたいもの。「そんな自動車あるわけないでしょ!」と思うかもしれませんが、あるんです。それが「Canadian Tire Ice Truck」。これは、氷でできたピックアップトラックです。

氷でできたピックアップトラック「Canadian Tire Ice Truck」
「Canadian Tire Ice Truck」は、カナダの Canadian Tire が、バッテリーの宣伝のために作ったものです。カナダの冬は厳しく、自動車のバッテリーの性能が低下して、エンジンがかからないこともしばしば。でも、同社のバッテリー「MotoMaster Eliminator Ultra」であれば、零下40度でも一発でエンジンがかかる。それをアピールするために作られたのが、この氷のピックアップトラックでした。

バッテリーをマイナス49度に冷やし

氷のボディに設置しても

一発でエンジンがかかる
「Canadian Tire Ice Truck」のベースになっているのは、GMC Silverado。フレームとパワートレインだけを残し、それ以外をすべて氷のパーツで置き換えました。エクステリアはもちろん、インテリアさえも、ハンドルやブレーキ、アクセルなど一部のパーツを除き、すべて氷でできています。シートも氷製なので、今日のような暑い日にはぴったりではないでしょうか?

シートも氷製 涼しい!?
ただ、氷製のフロントガラスは、ちょっと…というか、かなり視認性が低そう。バックミラーやサイドミラーも氷製ですが、これではまったく後ろは見えません。まぁ、氷なので、しょうがないんですけどね。

氷でできたサイドミラー
後ろは見えませんが、前方はうっすら透けて見えてます
後ろは見えませんが、前方はうっすら透けて見えてます

氷でできたバックミラー
フロントガラス(フロントアイス?)への取り付けに、苦労の跡が見えます
フロントガラス(フロントアイス?)への取り付けに、苦労の跡が見えます
ボディを製作したのは、氷の彫刻を専門にしている Iceculture。 製作には6,350キロの氷を使用したそうです。同社の Heidi Bayley さんは、「氷のトラック製作は、我々が手掛けた彫刻の中で最も困難なものの1つだった」と述べています。

ボディを製作したのは、Iceculture の方たち

氷のピックアップトラックは、これまでで一番困難な彫刻だったそう

内装をノミで掘り出す Iceculture の彫刻師さん

仕上げは炎で
これで表面がつるつるになるそうです
これで表面がつるつるになるそうです
出来あがった氷のピックアップトラックは透明で、なぜかちょっと未来的な雰囲気を醸し出しています。もちろん走行可能。前方も後方も見えにくいので、あまり速くは走れないのですが、時速約20キロで約1.6キロ走行したそうです。

雰囲気はちょっと未来的?

もちろん、走行可能です
こんな自動車に乗って街を走れば、気持ちだけでなく、実際に身体も涼しくなるでしょう。でも前橋や熊谷を走ったら、あっと言う間に溶けてしまいそうですけど。
残念ながら、「Canadian Tire Ice Truck」は、既に溶けてしまったそうです。

溶けていく「Canadian Tire Ice Truck」
なんだか寂しい
なんだか寂しい