マウンテンビューの近くの NASA Research Park(NRP)に本社を構える skyTran と、イスラエルの航空機メーカー Israel Aerospace Industries(IAI)は、IAI 社の敷地に磁気浮上型の2人乗り次世代交通システム「skyTran」の試験線「skyTran Technology Demonstration System(TDS)」を建設することで合意した。

磁気浮上型の2人乗り次世代交通システム  skyTran
磁気浮上型の2人乗り次世代交通システム
skyTran

skyTran 社は、数人程度の少人数を運ぶ新交通システム Personal Rapid Transit (PRT) を手がけている米国企業。PRT は、鉄道のような大量の乗客を運行ダイヤに従って運ぶ従来型の交通システムと異なり、1人から6人といった乗客をオンデマンドに輸送する。乗車/降車も大きな駅ではなく、張り巡らされた交通ネットワークのグリッド上に数多く設けられる乗降ポイントで行える。車両は自動操縦され、乗客の出発地点から目的地まで直接移動できる。

同社によると、1970年代に米国ウェストバージニア州モーガウンタウンなどで導入された第1世代 PRT やその後の第2世代 PRT は駆動手段としてタイヤを使っていたが、これが PRT システムの大きな技術的弱点になるそうだ。タイヤは摩耗することからトラブルを招きやすく、メンテナンスにかかるコストも大きい。さらに、最高速度を上げることも難しい。

第1世代 PRT の例  (出典:West Virginia University)
第1世代 PRT の例
(出典:West Virginia University)

今回 TDS を建設する skyTran は次世代型の PRT であり、タイヤを使わず磁力を使って車体を浮かすマグレブ技術を採用し、リニアモーターで動かすことにより、第1世代/第2世代 PRT の弱点を克服する。車体と軌道が接触しないため部品が摩耗せず、高速走行にも適してる。同社の試験結果によると、時速 240km での走行が可能という。両社は試験システムを使い、skyTran を試験して技術検証し、改良を施していく。乗客/荷物を満載した状態で浮上させて高速走行できることも確認する。

テルアビブで商用 skyTran システムを建設
テルアビブで商用 skyTran システムを建設

さらに両社は skyTran TDS の試験結果を受け、2016年第4四半期を目途として、イスラエルのテルアビブに商用システムを建設して運用する計画だ。第1段階は総延長 200km 強の規模で、建設にかかる費用は 8,000万ドルとみる。まず、旅行者の利用を想定し、同時にテルアビブ大学の学生などに移動手段として使ってもらう。運賃は、1回あたり5ドル程度の予定。

skyTran のイメージ
skyTran のイメージ

skyTran 社は、テルアビブ以外にフランスのツールーズ、インドのケララ、米国のサンフランシスコでも skyTran システムを敷設したいとしている。そして、skyTran で公共交通機関、および都市部と郊外の通勤に革命を起すそうだ。


skyTran の紹介ビデオ