
テストは、アンダーパスの冠水路で車が停止してしまったことを想定。後輪が浮いている状態と完全に水没した状態で、セダンの運転席ドアとミニバンの後席スライドドアが開くかどうかを、水深を変えながら検証した。さらに、車内にありそうなもの5点と脱出用ハンマー3点で窓を割ることが可能かどうかをテストし、ドアも窓も開かない場合の脱出方法として適切な道具についても検証した。
ドアが開くかどうかのテストでは、後輪が浮いている(車内に水が入っていない)状態では、水深が30センチであってもドアを開けることはできないことが明らかとなった。ドアに外から強い水圧がかかることが原因と考えられる。逆に完全に水没している(車内に水が入っている)状態では、車内外の水位差が小さくなり、どちらのドアも開くことがわかった。



窓を割れるかどうかのテストでは、割ることができたのは脱出用ハンマーだけだった。小銭をビニール袋に入れて窓を叩けば割ることができるとよく言われているが、実際にはまったく歯が立たないことが実験で明らかとなった。




窓を割れるのはハンマーだけ
なお、フロントガラスはフィルムが入っているため、脱出用ハンマーでも割ることはできなかった。
JAF では、冠水路で車が停止し、ドアが開かなくなった場合、落ち着いて車内外の水位差が小さくなるのを待つよう呼び掛けている。また、万が一車両が水没した場合に備え、脱出用ハンマーを手の届くところに常備することを推奨している。