「Dragonfly Hyperscooter」は、61km/hで走れる大人向けの電動スクーター。英国ロンドンに本拠を置くD-Flyが開発しました。
クルマで通勤するのをやめ、公共の交通機関+ラストマイルヴィークルの組み合わせに乗り換えた人が欧米で増え始めてから、すでに数年が経過しました。ブームが始まった当初は、駅からオフィスまでのラストマイル移動には子どもの頃使っていたスケートボードなどを利用する、というのが主流でした。
持続可能な社会の実現を目指す
でも何年かそのような生活を続けた後、「もっと速い電動ビークルに乗りたい」「もっと気持ちよく移動したい」「通勤途中で壊れない、もっと信頼性の高い乗り物が欲しい」と考える人が増えてきたそう。そんな声に応えて作られたのが「Dragonfly Hyperscooter」です。
パワーユニットには1,800Wのモーターを装備。最高速度61km/hで走行可能で「もっと速い電動ビークルに乗りたい」という要求に応えます。
バッテリーはフル充電すれば最大で約18kmの走行が可能。ロングレンジ用バッテリーを使用すれば最大で46km走行できます。
「もっと気持ちの良い移動」には、チルトテクノロジーで対応。ハンドルを掴んでチルトさせることで操縦できます。3次元チルトで方向転換だけでなく、加速もブレーキもこのハンドルのみで操作可能。従来のレバーやスロットルでの操作よりも直感的で気持ちの良い操作ができます。
ダブルウィッシュボーンの独立懸架サスペンションを採用。路面からの衝撃を吸収し、気持ちの良い移動を手助けしてくれます。その他では、超低重心構造を採用しており、低速走行時でも高い安定性を提供します。
「信頼性の高さ」ではフレーム素材にカーボンファイバーや航空機グレードのアルミを採用。高い剛性により、ライダーに安心感を与えます。
外観は“ラグジュアリーなセダン”を目指しているそう。カーボンファイバーをレーザー彫刻して美しく仕上げているそうです。「スケートボードやキックスケーターで通勤をしていると、大学生のように見られてしまう」。そういう悩みを持っている人に、「Dragonfly Hyperscooter」はぴったりなのだとか。
カーボンファイバーを採用したことでボディは約14.5kgと軽量に。「Dragonfly Hyperscooter」には4輪バージョンもあるのですがそちらでも約16.5kgを実現しており、折り畳んで手軽に持ち運べます。また、折り畳めばオフィス内や自分の部屋に収納することもできます。
4.5インチの4Kディスプレイを装備。スマートフォンとBluetooth接続することで、スマートフォンのナビアプリを表示可能となります。サウンドシステムも装備していて、スマートフォンの音楽を楽しむこともできます。
ステアリング下には約13.6Lの収納が。それほど大きくはありませんが、通勤に必要な荷物を入れておけます。
3輪モデルと4輪モデルを用意。価格は3輪モデルで5,000ドル(約54万7000円)からとラグジュアリーな設定。四輪モデルでは6,000ドル(約65万6,000円)からとさらにラグジュアリーになっています。販売は2020年の中頃に予定されています。
かつて格安スマートフォンを製造していたメーカーが、次第に高級な機種の販売をスタートさせ、気が付くとそちらが最量販商品になっていた…なんて話はよく耳にします。ラストマイル移動向けの乗り物でも、同じことが起き始めているのかもしれませんね。