総帆展帆。花が咲き誇るように、帆船がすべての帆を青空に広げる瞬間は、最も美しく見える瞬間だ。神奈川県は横浜港に係留中の「日本丸」は夏休み中も、華やかな姿を披露してくれる。


日本丸は1930年に建造された歴史ある練習帆船。1984年まで半世紀あまりも活躍し、地球を45周する距離を航海し、1万1,500名もの船乗りの卵を育ててきた。1985年から、横浜のみなとみらい21地区の石造りドックに現役当時のまま保存し、一般公開している。


かつて29枚の帆すべてを広げて海原を疾走するようすは、日本丸を愛する人々から「太平洋の白鳥」と呼ばれたそう。

もはや外洋には乗り出さなくなった今でも、時折、有志の手によって総帆展帆を実施している。今年は横浜で係留を始めてから30周年とあって、この4月には29枚の帆すべてを取り換え、日本丸の乗組員の手作りによる新しい帆を張ったという。

総帆展帆は、夏のあいだは8月2日と30日、秋以降は9月23日、10月12日、10月25日、11月8日を予定している。各日とも展帆(帆を広げる作業)を10時30分から11時30分ごろまで、畳帆(帆をたたむ作業)を15時から16時までに行う。

なお天候によっては中止する場合もあるそう。当日は白い帆が映えるよう晴天を望みたい。