JR 西日本の大阪環状線で、全19駅それぞれの発車メロディが「ご当地曲」に変わることになった。そこで新今宮駅は偉大なチェコの作曲家、アントニン・ドヴォルザークの曲を選んだ。理由はお察しの通りである。

新今宮駅のすぐ近く
新今宮駅のすぐ近く

「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として JR 西日本が進めている計画の一部。3月22日の環状運転開始記念日から、全19駅で発車メロディを固有のものに変更する。目的はドアが閉まるタイミングをより分かりやすく知らせるため、そして利用者や地域住民に沿線の街に対する愛着を感じてもらえるようにすること。「その駅(まち)らしさ」「大阪環状線らしさ」「大阪らしさ」がテーマだ。

立派なプロジェクトの一部なのだ
立派なプロジェクトの一部なのだ


すでに京橋、森ノ宮、西九条、大阪の4駅はご当地曲を導入済みなので、耳にしている人も多いかもしれない。今回は残り15駅が後に続くかたちだ。

話を戻すと、ドヴォルザークである。彼は19世紀に欧州各国で自らの民族の伝統を採り入れ、それぞれの個性ある音楽を追求した「国民楽派」の代表格とされ、その旋律は多くの人の耳に忘れがたく残る。

特に代表曲「新世界より」は、コンサートホールではもちろん、学校で下校をうながす音楽として鳴り響いていたため、よく覚えている人も多いのではないだろうか。

そう、もうお分かりだろう。新今宮駅近くにあるのが、大阪を代表する繁華街「新世界」。だからドヴォルザーク。そういうことなのだ。

嘘だと思うのであれば、JR 西日本の Web サイト を訪れて確認して欲しい。

ちなみに全19駅の駅名曲名・選曲理由を以下に列挙しておく。

■大阪駅「やっぱ好きやねん/やしきたかじん」
大阪を愛し、大阪に愛された、故やしきたかじんさんの代表曲

■福島駅「夢想花/円広志」
歌詞に「回って、回って、・・・」。周回の環状線にちなんで

■野田駅「一週間/ロシア民謡」
冒頭の歌詞に「日曜日に市場へ出かけ」。駅近くの大阪市中央卸売市場にちなんで

■西九条駅「アメリカン・パトロール/アメリカ民謡」
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへの乗換駅というイメージを想起

■弁天町駅「線路は続くよどこまでも/アメリカ民謡」
交通科学博物館があったことにちなんで

■大正駅「てぃんさぐぬ花/沖縄県民謡」
沖縄県民愛唱歌。沖縄文化色濃いまちのイメージにちなんで

■芦原橋駅「祭/芦原橋太鼓集団 怒 作曲」
太鼓が盛んな駅周辺にちなんで

■今宮駅「大黒様/文部省唱歌」
駅近くの大国主神社(木津の大黒さん)にちなんで

■新今宮駅「交響曲第9番 新世界より/ドヴォルザーク作曲」
駅近くの新世界にちなんで

■天王寺駅「あの鐘を鳴らすのはあなた/和田アキ子」
四天王寺の鐘にちなんで。和田アキ子さんは大阪府出身

■寺田町駅「Life Goes On /韻シスト 大阪環状線イメージソング」
大阪環状線改造プロジェクトのための書き下ろし曲

■桃谷駅「酒と泪と男と女/河島英五」
桃谷にゆかりのある故河島英五さんの代表曲

■鶴橋駅「ヨーデル食べ放題/桂雀三郎withまんぷくブラザース」
駅周辺のイメージとして「焼肉」が定着

■玉造駅「メリーさんのひつじ/アメリカ民謡」
高架下商業施設「ビエラ玉造」建物では、窓枠を音階に見立てて同曲を表現

■森ノ宮駅「森のくまさん/アメリカ民謡」
駅名にある森にちなんで。現在進めている森ノ宮駅改良全体コンセプトも「森」

■大阪城公園駅「法螺貝/オリジナル」
戦国時代の戦を象徴する「大坂の陣」を想起

■京橋駅「ゆかいな牧場(大阪うまいもんの歌)/アメリカ民謡
大阪のご当地ソング。歌詞と曲調が駅周辺の「にぎやかさ」をイメージ

■桜ノ宮駅「さくらんぼ/大塚愛」
大川の桜や駅名にある桜にちなんで。大塚愛さんは大阪府出身

■天満駅「花火/aiko」
天神祭にちなんで。aikoさんは大阪府出身

新今宮駅以外にも大阪城公園駅で流れるオリジナルの法螺貝など、あぜんとするような選曲も多いが、とにかくユニークなのは確か。

ところで、JR 西日本ではこのプロジェクトを強く推進しており、ちょっとした景品が当たる福引も始まる。3月20日から京阪神の JR 各駅に置かれる無料リーフレット「大阪環状線発車メロディGUIDE」を入手しておくと、後日、大阪駅3階連絡橋口改札で参加できる。

景品の1つ「めっちゃ好きやねん 大阪環状線の恋人」
景品の1つ「めっちゃ好きやねん 大阪環状線の恋人」

開催日時は3月22日15時~18時、3月28日10時~18時開催日時、3月29日10時~18時の3日間。福引は1人1回。景品がなくなり次第終了する。