カナダモントリオールのサイクルショップ MTL Cycles は、太陽電池で走る自転車「Solar-E-Cycle」のプロトタイプを開発した。


MTL Cycles によれば、米国では通勤者の約70%が自動車通勤をしているという。だが、その通勤距離は片道10キロ以下で、搭乗者は1名のみのことがほとんど。1人の人間をわずか10キロ程度移動させるのに、数百万円ものコストがかかるクルマを、大量の化石燃料を消費して走らせるのは無駄だと感じたことが、「Solar-E-Cycle」の開発を思い立った動機だと MTL Cycles は述べている。


「Solar-E-Cycle」は、1人または2人乗りの電動自転車。太陽電池による電力でバッテリーを充電して走行する。走行速度や快適性などは自動車にはまったく及ばないし、エアコンや車載オーディオなどの快適装備も搭載されていないが、10キロ程度の通勤に使用するにはこれで十分だというのが MTL Cycles の考えだ。


「Solar-E-Cycle」の上部に取り付けられたソーラーパネルは、車両の屋根として機能し、強い日差しやちょっとした雨などを防いでくれる。パネルで発電された電力を蓄えるバッテリーには、高価なリチウムイオンバッテリーではなく、一般的な自動車バッテリーを使用。誰でも簡単にメンテできるだけでなく、バッテリーが寿命を迎えた場合でも、カー用品店などで簡単に交換可能だ。


ボディーには既存の自転車のパーツが多く活用されている。タイヤやチェーンの交換が必要になった場合は、サイクルショップでパーツを調達できる。


MTL Cycles が「Solar-E-Cycle」を販売する最初の地域はアフリカ。水道の敷設されていない地域などに導入し、現在は徒歩で行われている飲料水運搬の労力と時間の削減を目指す。実現すれば、現地の子どもが学校に通う時間を増やすことができるという。また、「Solar-E-Cycle」の組み立てやメンテナンス方法を現地の人々にトレーニングすれば、雇用機会の増加につながると MTL Cycles は主張している。


このプロジェクト実現に向けて、MLT Cycles は kickstarter で出資者の募集をしている。目標とする金額の資金調達に成功した場合、北米で300台の中古自転車を購入してアフリカに持ち込み、現地のサイクルショップで組み立てて、販売を開始するとしている。