
ボルボは今年4月、助手席を取り払い、後部座席の人が足を伸ばして座れるクルマのコンセプトデザイン「Lounge Console」を発表した。

このコンセプトデザインは実にユニーク。だが、その恩恵にあずかれるのは、お抱え運転手付きのショーファ―カ―を利用している人だけだった。世の中のほとんどの人には無関係のものだ。
ボルボは7月2日、「Lounge Console」を発展させた新たなコンセプトデザイン「Excellence Child Seat」を発表した。こちらは、実現すれば小さな子どもを持つドライバーすべてにメリットを与えるものとなるだろう。

ボルボのチーフインテリアデザイナー Tisha Johnson 氏は、理想のチャイルドシートについて調査・研究を実施。その実現のポイントは、「子どもの乗せ/降ろしが簡単なこと」「親と対面できること」「おむつや哺乳瓶などのベビー用品を清潔に収納できること」の3点にあると突き止めた。そしてこの実現には、「Lounge Console」の活用がベストであることに思い至ったという。
「Excellence Child Seat」では、助手席の位置にチャイルドシートが取り付けられる。子どもの乗せ/降ろしではフロントドアを使うことになるが、一般的に自動車のフロントドアはリアドアよりも開口部が広く設計されているため、後部座席に設置される従来型のチャイルドシートよりも、乗せ/降ろしが楽になるという。

子どもの乗せ/降ろしが楽になる
また、「Excellence Child Seat」では、チャイルドシートは後ろ向きに装着される。これにより、後部座席に座る人は子どもと正対することになり、面倒を見やすい。また、後部座席にチャイルドシートがある場合と比較して、運転席の人からも、子どもの状態を確認し易くなるという。そして、チャイルドシート周辺には、育児用品を収納するためのスペースが多く用意された。

現時点では、「Excellence Child Seat」がいつ、どのクルマに実装されるか、などについて発表されてはいない。だがこのアイディアは素晴らしいもの。他のメーカーからも同様のコンセプトを持つクルマが発売されることを期待したい。
