
リカンベントをシェルで覆った“ベロモービル”「Lightning F-22」
Lightning Cycle Dynamicsの「Lightning F-38」は、かつて数々の記録を樹立した伝説の自転車。そのスピードの秘密のひとつは車体を覆うフェアリング(シェル)にありました。同社によればシェルを装着したリカンベントはむき出しの状態より50%速く走行できるのだそう。例えばシェル無しで時速30キロで巡行できる人なら、シェルを装着すれば時速45キロでのクルーズが可能になるそうです。

参考画像:Lightning Cycle Dynamicsの「Lightning F-40」
シェルを装備しています
シェルを装備しています
時速45キロでクルーズできるなら、クルマの代わりにも使えるかも?とはいえ、例えば同社の「Lightning F-40」の価格は6,700ドルからと自転車としてはかなり高め。中古の自動車が変えてしまう価格です。

同社公式サイトにも「経験のある人向け」とあります
今回発表された「Lightning F-22」は、一般の人にも手が出やすい価格を目指して再開発されたモデル。大量生産の手法を導入して安価で仕上げられました。また、レースではなく、普段使いに便利な機能も搭載されています。

普段使い向けに開発された安価で便利な「Lightning F-22」
その最大の特徴はやはりシェルでしょう。伸縮性の高いスパンデックスで作られたシェルは走行時の空気抵抗を減らし、最大速度時速48キロでのクルーズを可能としてくれます。シェルはダウンヒルではさらにその威力を発揮。時速96キロでの走行も可能になると、Lightning Cycle Dynamicsは説明しています。

シェルを取り外すと、こんな感じです
シェルは高速走行を可能にするだけでなく、サイクリストに快適性を提供します。ダウンヒルでスピードが出ているときに受ける風はサイクリストを疲労させますが、シェルはその疲労を軽減してくれます。
「Lightning F-22」のシェルは、同社の従来型のシェルよりも小さめ。例えばペダル部分はシェルで覆われていないので、サイクリストの足はペダルを漕いでいるときにはシェルの外に出ます。この構造により、スタート/ストップがより簡単に。ストップアンドゴーの多い街中での通勤に対応しやすくなりました。

足はシェルの外に
空力特性はやや悪化しますが、利便性は高まっています
空力特性はやや悪化しますが、利便性は高まっています
乗車する際には左側のファスナーを開きます。ファスナーは上部にも装備されており、暑い日にはこの上部のファスナーを開けてシェル内の温度を下げることもできます。

右の穴から頭を出します
Lightning Cycle Dynamicsは、「Lightning F-22」は通勤やちょっとしたツーリングなどにぴったりだとしています。
Lightning Cycle Dynamicsは現在、「Lightning F-22」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトKickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、2,780ドルの出資+500ドルの送料で「Lightning F-22」を1台入手できます。出荷は2019年3月に予定されています。
「クラウドファンディングはちょっと…」という方や、「海外からの取り寄せには抵抗が」、という方は、来年3月の出荷開始後にLightning Cycle Dynamicsのリカンベントを日本で販売するローロ ワールドリカンベンツに問い合わせてみるのも良いかもしれません。同社Timothy Brummerさんによれば、日本でも「Lightning F-22」の購入希望者がいれば、ローロ ワールドリカンベンツを通じての販売もありうるとのことでした。