人類を地上から宇宙へと運ぶ「宇宙エレベーター」。かつてはその実現は不可能だとされてきた。だが飯島澄男氏によって1991年に「カーボンナノチューブ」が発見されて以降、宇宙エレベーター建造は一気に現実的なものとなった。
 
LiftPort Group が建造を目指している宇宙エレベーター
LiftPort Group が建造を目指している宇宙エレベーター

以前 NASA 傘下にあった米国 LiftPort Group は、宇宙エレベーター実現に向けて活動している企業の1つ。同社は、宇宙エレベーター実現に向けたプロジェクト資金を Kickstarter で調達することに成功し、パイロットプロジェクトに取り組んでいる。
 
現在 LiftPort Group が取り組んでいるパイロットプロジェクトは、地上2キロメートルの位置にバルーンをあげて地上とケーブルでつなぎ、ロボットを上下させるテスト用プラットフォームの構築を目指すというもの。このプラットフォームで実験を行い、そこで収集したデータを将来の宇宙エレベーター建造に活かすそうだ。
 
LiftPort Group は、将来的には「地球軌道エレベーター」と「月軌道エレベーター」の建造を目指している。実現すれば、特別なトレーニングなどを受けなくても、誰でも比較的安全かつ安価に月旅行が可能になるという。同社のプランによれば、月旅行者は地球軌道エレベーターで静止軌道上の宇宙ステーションまで上昇。そこからスペースシャトルのような乗り物に乗り換えて月軌道エレベーターに移動し、エレベーターで月面に降りることになるという。
 
(この記事は、弊社姉妹サイトインターネットコムに2012年8月29日に掲載された記事を一部編集したものです)