クルマの CM などでよく使われる、オーストラリア・ヴィクトリア州にあるグレート・オーシャン・ロード。「世界でもっとも美しい海岸線」とも呼ばれるこの道は、全長260キロにもわたる海岸線に沿って壮大な景観をもつドライブルートだ。

このグレート・オーシャン・ロードを地上からではなく上空から眺めることができるプログラムがある。ヘリコプターで遊覧飛行を体験できる「12 Apostles Helicopters」だ。


このプログラムは、グレート・オーシャン・ロードのハイライトでもある断崖絶壁や、「12使徒」「ロックアード・ゴージ」などと名付けられた“奇岩群”を望むポートキャンベル国立公園の上空をヘリで飛び回り、絶景を楽しむことができるもの。

料金は15分の飛行時間で一人145ドル(約1万4,000円)から。ビデオ録画などのオプションも別料金で付けることができる。

そんなヘリコプター遊覧飛行に、今回筆者は生まれて初めてチャレンジしてきた。

ヘリ遊覧のチケット。ドキドキ…
ヘリ遊覧のチケット。ドキドキ…

飛行場に着くと、まずは体重を測られる。重さによって乗り込む順番や機体が変わるようだ。

続いて救命胴衣が入ったポーチを装着され、搭乗時の注意事項が伝えられる(ここで一気に緊張感が高まる)。ふと見ると、飛行を終えたヘリが「バラバラバラバラ…」と豪快なプロペラ音を轟かせながら着陸している。いよいよ次だ…!

こんなに近くでヘリを見たのは初めて!
こんなに近くでヘリを見たのは初めて!

筆者はパイロットを含めて4人乗りの、ややコンパクトな機体へと誘導された。席は後方の左側。まだ離陸もしていないのに、緊張はクライマックスだ。ふと操縦席を見ると、パイロットはなんと女性!格好よすぎて思わず見とれてしまった。

しかも美人…!
しかも美人…!

あれよあれよという間にシートベルトを締められ、ヘッドフォンを付けられ、美人パイロットの「Are you ready!?」の声と同時に機体はふわりと浮かび上がった!が、思っていたよりもあっけない離陸。飛行機のように助走を付けないので、気づいたら宙に浮いていたというような不思議な感覚だ。

そのまま高度をぐんぐん上げていき、ぐっと体に重量がかかったと思うと、ヘリは前方上空へと勢い良く飛び出した。

ふわり
ふわり

離陸直後の機内からの景色
離陸直後の機内からの景色

真っ青に広がる大海原。乗客から感嘆の声が上がる。美人パイロットさんが景色の解説(英語)をしてくれる中、眼下には岩の12使徒が見えてくる。巨大なはずの岩たちが、まるでジオラマのように可愛らしい。

壮大な自然を肌で感じる
壮大な自然を肌で感じる

エメラルドグリーンの海、真っ白い飛沫を上げる波。まるで雲が浮かぶ青空を、そのまま水面に反射したようだ。海と空を仕切る絶壁のレイヤーも美しい。しばし言葉を失い、その圧倒的な景色に見入ってしまった。

うねる岸壁はまるで生き物のよう
うねる岸壁はまるで生き物のよう

いよいよ遊覧も終盤。ぐるりと大きく旋回してヘリポートへ戻ってくる途中、窓の下には鮮やかなグリーンが広がり、米粒のような小さな点々が見えた。羊たちの群れだ。

道路を走ってる車も見える
道路を走ってる車も見える

小さな米粒みたいなのが羊です
小さな米粒みたいなのが羊です

15分でも十分に楽しめる遊覧飛行。離陸時や着陸時の揺れも少ないので、飛び立つまでの緊張感に反して、搭乗中の恐怖感はまったくといっていいほど無かった。

飛行を終えた瞬間、ヘリの中に充満した何ともいえない達成感と連帯感は筆舌に尽くしがたい。昨日までは見ず知らずだった4人が、お互いを見つめ笑顔でサムズアップする。この感覚は体験した者だけが得られる特権だろう。

心がひとつになった瞬間
心がひとつになった瞬間

 
ドライブロードを走ったことがある人も、上空から眺めてみると、グレート・オーシャン・ロードのまた違った一面が見られるはず。「12 Apostles Helicopters」プログラムは、人生のバケットリストに入れておいてもいいかもしれない。

夕暮時もグレートな景色が広がる
夕暮時もグレートな景色が広がる