
その最大の特徴は、デザインの美しさ。高品質な木製家具を入手したときのような、所有することの喜びと満足感を味わわせてくれます。「Tratar Bikes」の Janez Tratar 氏は、この木製自転車について次のように語っています。
「『Tratar Bikes』は単に木製自転車を作っているのではありません。自転車に乗ることの喜びと満足感を顧客に与える“通勤体験”そのものをハンドメイドしているのです。街乗り用自転車は、A 地点から B 地点まで移動するための単なる道具ではなく、利用者に快適で贅沢な体験を与えるものでなければならないのです。私たちの自転車に乗れば、どこを走っていても、常にスムーズな乗り心地と、満足感を味わうことができます」

「Tratar Bikes」は、スロベニア産の木材を環境負荷の低い接着剤で貼り合わせて合版を作るところからスタートし、フレームを手作りしています。このこだわりが、美しい仕上がりを実現しているのだとか。


「Tratar Bikes」による木製自転車の2つ目の特徴は、その軽さ。フレームのみであれば、2.7キロという軽さを実現しました。車体全体の重量も、シングルスピードモデルで約10.9キロ、キックシフト付きモデルで約11.8キロに抑えられています。街乗りでは、階段や歩道橋などで、自転車をかつがなければならないシーンに出くわすこともありますが、この重量であれば問題なく持ち運べるでしょう。

木製自転車は、木製家具と同じように、長年に渡って利用され続けられるものだと「Tratar Bikes」は主張しています。とはいえ、部屋の中に置かれる家具と異なり、自転車は移動の手段。雨の日に走行したり、悪路を走行することもしばしば。そのような場合の強度や耐久性はどうなっているのでしょうか?

「Tratar Bikes」は、自転車に乗ったままジャンプしたり、川に突き落としたり、といった強度テストの模様をビデオで公開しています。



これらのテストはかなり原始的。大手自転車メーカーが工場で実施している科学的なものとは比べ物になりません。テストの様子を見ていると、いろいろと突っ込みたくなる気持ちが心の中にわいてきます。でもまぁ、ある程度の強度と耐久性を備えているとは言えるのかもしれません。
「Tratar Bikes」は現在、kickstarter で出資者を募集中。1,660ドルの出資でシングルスピード、1,760ドルの出資でキックシフトの木製自転車を入手できます。日本への送料は120ドル。出荷は2015年の5月を予定しています。
