ゴードン・マレーが「T.50」の公式画像を公開しました。パワーだけではなく、空力特性と軽量ボディ(980kg)で戦う「空力のスーパーカー」です。

リアに400ミリの「ファン」を装備した「空力のスーパーカー」ゴードン・マレー「T.50」
ゴードン・マレーが「T.50」の公式画像を公開

搭載されたドライブトレインは4L V型12気筒エンジンと、6速トランスミッションの組み合わせ。エンジンはレッドゾーンが1万2,100rpmに設定された超高回転型ではありますが、最高出力は650馬力、最大トルクが450Nmと、1,000馬力超えが当然のスーパーカー・ハイパーカー市場では控えめな出力にも見えます。


でも「T.50」の強さはそこではありません。最大の特徴はバックエンドに装備された直径400ミリの「ファン」。この「ファン」が車両下部から空気を吸い込んでダウンフォースを高めます。また、走行状況に合った最適なダウンフォースを得られるように、回転をコントロールすることも。

リアに400ミリの「ファン」を装備した「空力のスーパーカー」ゴードン・マレー「T.50」
バックエンドに装備された直径400ミリの「ファン」

「ファン」により、「T.50」では合計6つの空力モードをドライバーに提供可能となりました。このうち「ハイダウンフォース」モードを選択すれば、ダウンフォースが30%アップしてコーナリングでの限界を高め、高速でのコーナリングを可能とします。

リアに400ミリの「ファン」を装備した「空力のスーパーカー」ゴードン・マレー「T.50」
合計6つの空力モードを提供

前述の通り、「T.50」に搭載されたエンジンの最高出力は650馬力。でも、「T.50」はこの高い空力特性のおかげで、コーナーで他のクルマを抜きさる「空力のスーパーカー」となりえます。

直線では「ストリームライン」モードが力を発揮。このモードはダウンフォースが軽減され、スピードアップと燃料消費量の低減に貢献します。

直線でさらなるパワーが必要なときには「Vmax」モード。これは空力的には「ストリームライン」モードと変わらないのですが、搭載されたスターターモーターのパワーを加えるなどして、最大700馬力を約3分間発揮します。

「ブレーキング」モードを選択した場合には、ファンは最速で回転。ダウンフォースを高め、ブレーキの利きを最大限に高めます。ゴードン・マレーによれば、このモードでは241km/h走行時の制動距離を、約10メートル短縮できるのだとか。

リアに400ミリの「ファン」を装備した「空力のスーパーカー」ゴードン・マレー「T.50」
「ファン」をオフにした状態での空気圧分布

リアに400ミリの「ファン」を装備した「空力のスーパーカー」ゴードン・マレー「T.50」
「ファン」をオンにした状態での空気圧分布

その他、「テスト」モードも装備。こちらはクルマを止めたままで「ファン」を回転させるモードで、友達に「ファン」を自慢する際にも便利に使えます。

「T.50」の公開は2020年5月に予定されています。価格は200万英ポンド(約2億8,600万円)からで、配送開始は2022年1月から。限定100台の生産ですがすでにかなりの数の予約が入っており、その多くは米国と日本の顧客からということです。