電動アシストカーゴバイクは日本でも流行る?-Tern Bicyclesが「HSD」を発表

欧米ではクルマから自転車に乗り換えている人が、本当に増えています。さすがに「移動手段は自転車だけ」という人は少数派ですが、2台あったクルマの1台を自転車に替えたという人は、筆者の知っている範囲でもかなりいます。自転車の中でも、子どもの送り迎えや買い物に使えるカーゴバイクは高い人気を得ています。

「HSD」も、そんなカーゴバイクのひとつ。折り畳み自転車などを開発・販売しているTern Bicyclesが発表した電動アシスト付きのカーゴバイクです。


電動アシストカーゴバイクは日本でも流行る?-Tern Bicyclesが「HSD」を発表
Tern Bicyclesの電動アシストカーゴバイク「HSD」

ある程度はクルマの代わりに使えるカーゴバイクで、週末のまとめ買いにも子どもの送り迎えにも便利です。電動アシストが装備されているので、荷物満載でも楽に移動できるというメリットを持っています。

電動アシストカーゴバイクは日本でも流行る?-Tern Bicyclesが「HSD」を発表
週末のまとめ買いに使えます

Tern Bicyclesの持つ折り畳み技術が見事に活かされているのも、「HSD」の特徴。完全な折り畳みではなくハンドルを畳める「セミフォールディング」ではありますが、通勤で利用した場合仕事中はオフィス内に折り畳んで収納できます。これは、狭いエレベーターに自転車を載せるときにも便利です。

電動アシストカーゴバイクは日本でも流行る?-Tern Bicyclesが「HSD」を発表
狭いスペースにも駐輪が可能

さてこのカーゴバイク、日本でも流行るでしょうか?

ある程度は受け入れられるでしょうが、欧米ほどの流行にはならないないだろうなと予想されます。日本の、特に都市部では代替の交通手段が多くあるためです。

米国で暮らす筆者の友人の1人が、現在ある事情で運転免許の停止中なのですが、「生活が破綻しそう」だとこぼしています。

友人の暮らす地域では、学校や習い事への子どもの送り迎えが必須なのですが、クルマが無いと本当に大変なのだそう。また、通勤も以前はクルマで20分程度だったものが、いまはバスで45分から1時間半かかっているのだそうです。いつくるかわからないバスをいらいらしながら待つのもストレスなのだとか。

そのような環境では、「HSD」のような電動アシストカーゴバイクの必要性はかなり切実なものになります。

Tern Bicyclesが「HSD」を発表
米国では、一定の年齢まではどこに行くのも親同伴という州が多くあります

でも日本に住んでいると、クルマが無いことでそこまで困ることはなさそう。例えば子どもは送り迎えがなくても自分だけで学校に行けるし、授業が終わったら学習塾やスポーツクラブにも子どもだけで行けます。友達の家に遊びに行くのも自由。なのでクルマが無いからといって米国ほど困ることはなさそうです。

環境負荷という観点から見ても、日本ではカーゴバイクの必要性はあまりなさそう。これまで毎日クルマに乗っていた人が自転車に乗り換えるとCO2を大幅に削減できます。欧州などでクルマから自転車に乗り換える人の動機は、多くの場合ここにあります。でも、電車を使っていた日本人が自転車に乗り換えても、CO2削減にはほとんど貢献できません。もともと、あまり排出していないためです。

とはいえ、電動アシストカーゴバイクが日本にも入ってくるのは、自転車好きとしてはうれしいところ。実用面から見ても、通勤用自転車やちょっとカッコイイ子乗せ自転車として使えます。

Tern Bicyclesが「HSD」を発表

発売は2019年の冬。価格は7月末に決定される予定です。

Tern Bicyclesが「HSD」を発表