「ホバーボード」は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』に登場するスケートボードの一種。一般的なスケートボードではタイヤを利用して地面とボードの間の摩擦を減らしているが、「ホバーボード」では地面から浮くことで地面との摩擦をゼロにしている。

米国テキサス在住の Ryan Craven さんは、スケートボードを改造した「ホバーボード」を自作した。これは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』のホバーボードを、安価で誰にでも楽しめるようにするものだ。


Ryan Craven さんが自作した「ホバーボード」
Ryan Craven さんが自作した「ホバーボード」

えん乗りでは今年10月、米国 Hendo Hover が来年発売予定の「Hendo ホバーボード」を紹介した。これは、ボード内に組み込まれた4個のホバーエンジンが磁気を発生させ、ボードと搭乗者を空中に浮揚させるスケートボードだ。魅力的な製品ではあるが1台あたりの価格は1万ドルで、誰でも購入できるというものではない。

Hendo Hover が来年発売予定の「Hendo ホバーボード」  価格は1万ドル
Hendo Hover が来年発売予定の「Hendo ホバーボード」
価格は1万ドル

Craven さんの製作した「ホバーボード」は、空中に浮揚させるためのエンジンに道路や庭の落ち葉掃除に使う掃除機「リーフブロワー」を使用したもの。落ち葉を吹き飛ばす空気の力で、スケートボードを浮上させる仕組みだ。その他の部品もホームセンターで入手可能なものに限定したことで製作費を500ドル程度に抑え、誰でも映画の世界を体験可能にしている。

「リーフブロワー」を使用した「ホバーボード」  必要な費用は500ドル
「リーフブロワー」を使用した「ホバーボード」
必要な費用は500ドル

参考画像:落ち葉掃除機「リーフブロワー」  空気の力で落ち葉を吹き飛ばす
参考画像:落ち葉掃除機「リーフブロワー」
空気の力で落ち葉を吹き飛ばす

Craven さんによれば、人が乗った「ホバーボード」を浮上させ、安定させるためには、「リーフブロワー」が4つ必要だったそうだ。だがスケートボードに4つのリーフブロワーを取り付けるのは困難だった。そこで8角形の合板を用意し、これをスケートボードに取り付けることでリーフブロワーをボードに装着可能にした。

「リーフブロワー取り付け装置」  ホームセンターで入手した合板を八角形にカットした
「リーフブロワー取り付け装置」
ホームセンターで入手した合板を八角形にカットした

合板を取り付けた結果、Craven さんの製作した「ホバーボード」は、雪道を歩くときに足に装着する「かんじき」や、忍者が水上を歩く際に使ったとされる「水蜘蛛」のようなルックスとなってしまった。このルックスには Craven さんは満足しておらず、今後改善していきたいとしている。

忍者が水上を歩く際に使ったとされる「水蜘蛛」
忍者が水上を歩く際に使ったとされる「水蜘蛛」

Craven さんの製作した「ホバーボード」
Craven さんの製作した「ホバーボード」

Craven さんは「Mr Hoverboard」というプロジェクトを立ち上げ、誰にでも楽しめる「ホバーボード」製作に向けて取り組んでいる。具体的には、この目標達成のため、レストランでアルバイトをして資金をコツコツと貯めているそうだ。また、「Mr Hoverboard」の Web サイトでは、このプロジェクトに投資する出資者を募集している。Craven さんの製作する「ホバーボード」に乗ってみたいという方は、支援してみてはいかがだろうか?