盛んに噴煙を上げる浅間山。その火口に生き物が住み着いているのを、無人で空を飛ぶドローンのカメラがとらえた。YouTubeで公開となった動画では、火山ガスのたなびく上を自在に飛び回る黒い影がはっきりとうかがえる。

浅間山の火口に何かが住んでいる
浅間山の火口に何かが住んでいる

■人が近づけない火口を、ドローンが撮影

浅間山。群馬と長野の県境に位置する標高2,568mの高峰は、登山客から人気を集める一方、しばしば噴火もする。7月時点では気象庁の定めた警戒レベル「2」に相当するとの発表があり、火口周辺の立入が禁止となっている。

勢いよく煙を吐き出し、うかつに近づけない場所だが、ドローンを駆使して空から撮影しようとする試みはある。

3D地図アプリケーションを開発している杉本智彦氏は、高性能で手ごろな価格が人気の中国DJI製「Phantom3」を使い、鮮明な映像を記録に収めた。

撮影機材はDJI製Phantom3
撮影機材はDJI製Phantom3

杉本氏が動画に付けた説明によると、今回は7月12日に入山規制範囲の外にある黒斑山から離陸し、火口まで約2.7kmを往復。天候はよく、ほぼ無風状態。間欠的に噴煙が上がる中で、機械の目に映る視界は良好だったもようだ。


■飛び回る黒い影、正体は

そのPhantom3のカメラに意外な光景が写った。火口の縁をなす断崖から軽やかに舞い上がり、宙に踊る黒い影。生き物がいないと思っていた場所で出会ったのは、流麗な輪郭を備えた小鳥だったのだ。

鳥だ!断崖に営巣しているようだ!
鳥だ!断崖に営巣しているようだ!

杉本氏の見立てでは、アマツバメだという。

アマツバメは全体に黒っぽい羽毛をまとっているが、お尻のあたりが白い色をしている。冬のあいだは東南アジアやオーストラリアなどで過ごし、夏になると日本などにやって来る。以前から浅間山の登山客のあいだでは知られた存在らしく、入山規制以前に現地を訪れた人のブログなどに目撃談が載っている。

それにしても地底からさまざまなガスが出ているだろう環境で、活発に群れ舞うようすは驚愕の一言。いったいいつごろから火口に営巣するようになったのだろうか。浅間山は2009年にも小規模な噴火をしているが、影響はなかったのだろうか。先進の科学技術が切り取って見せた、自然の不思議に、つくづく感心させられる。