スイスとイタリアの国境近くにあるハンドクラフトの木工工房Selvaが、木製フレームの自転車「Ti XXII」を発表した。同工房による初のロードバイク。
Selvaは以前から木製フレームを持つシングルスピードのシティバイク「Fashion Racing」「Night Rider」を製造していた。これらシティバイクのフレームで特徴的なのは、木の風合いを活かすために、塗装を控えめにしていること。このため、複数種類のハードウッドの色の違いや、板と板の貼り合わせのライン、そして天然の木目などを楽しむことができるようになっている。
Selvaによるシティバイク「Fashion Racing」
フレーム以外のコンポーネントでは、シートポスト、ステム、ボトムブラケットなどにアルミを、フォークとホイールにはカーボンファイバーを採用し、重量9キロを実現した。
今回発表された「Ti XXII」は、ドロップハンドルや前2段・後11段の外装式変速機などを搭載したロードバイク。Selvaはこの「Ti XXII」を、「イタリア伝統のクラフトマンシップやデザインと、最新の自転車技術が出会って実現した、特別な一台」であると表現している。
「Ti XXII」はイタリアのクラフトマンシップと技術が出会って実現した特別な一台
シマノ製 前2段・後11段の外装式変速機が搭載されている
シートポスト、ステム、ボトムブラケット、フォークにはチタンを、ホイールにはカーボンファイバーを採用し、重量8キロを実現した。
フォークにはチタンを、ホイールにはカーボンファイバーを採用
Selvaは今後、マウンテンバイクなども製造し、さらにラインナップの拡大をはかるとしている。
さて、「木製フレームの自転車」には違和感を覚える人は多いのではないだろうか。一般的な自転車のフレームはスティール製だからだ。だが子どもの頃におもちゃの木馬に乗ったことがあるという人は、少なくないはずだ。
Selvaの木製フレーム自転車は大人の木馬?
(画像はSelvaのWebサイトより)
Selvaの木製フレーム自転車は、大人のための木馬と言えるのかもしれない。木馬にまたがって前後に揺れて遊んでいた時のことを思いだしながら、木製フレームの独自の乗り心地を味わえば、いつもの道を走っていても少しだけ楽しい気持ちになるだろう。それだけではない。我々は(違いの分かる?)大人なので、木の手触りや木工職人の仕事ぶりを楽しむこともできる。子どもの心と大人の心の両方をくすぐる自転車。それが、Selvaの木製フレーム自転車の目指すゴールだ。