「Kangaroo(カンガルー)」は雪道にも砂地にも強い電動スーパーカー。GFG Styleが開発した“ハイパーSUV”を謳うコンセプトモデルだ。
雪道にも砂地にも強い電動スーパーカー「Kangaroo」
スーパーカーやハイパーカーでは舗装された道路、特にトラック走行に適したチューニングが施されていることが多い。だがGFG Styleは「Kangaroo」で、トラックはもちろん、オフロード走行でも“チャンピオン”になることを目指している。
これを実現させるためGFG Styleは、これまで違う世界に存在していた「スーパーカー」「グランドツアラー」「オフロードSUV」とをひとつにまとめ、新たな“ハイパーSUV”に仕上げた。
「スーパーカー」「グランドツアラー」「オフロードSUV」をひとつにまとめて「Kangaroo」に
“ハイパーSUV”の実現に最も貢献したのは可変サスペンションシステム。ドライバーはサスペンション設定をスーパーカー向けの「レーシング」、グランドツアラー向きの「ロード」、そしてSUV向きの「オフロード」モードから選択できる。
「Kangaroo」のシステムはドライバーによって選択されたモードにあわせ、最低地上高を140ミリ(「レーシング」)、190ミリ(「ロード」)、そして260ミリ(「オフロード」)に変化させる。サスペンションの硬さやストロークスピードも、路面状況に合わせて調整可能だ。
電気自動車ならではの特長も“ハイパーSUV”開発に貢献した。電動モーターによる4輪駆動や4輪操舵がオフロードでの安定した走行を実現している。
雪道でも、4輪駆動によって安定したコーナリングを楽しめる
パワーユニットには最高出力360Kw、最大トルク680Nmを発揮するデュアルモーターが採用された。このモーターは0-100km/h加速で3.8秒を達成している。最高速度は250キロとされた。バッテリーは90Kwhで、フル充電で450キロ走行できる。
エクステリアでは、フロントフェイスは「未来を見据えたシリアスな表情」を表現。ヘッドライトの形状などがこの表情を作り出した。
サイドパネルは「Kangaroo」の特長のひとつである22インチの大径ホイールに合わせたシンプルな造形。下部にはKANGAROOロゴが配された。
リアのテールライトにはヘッドライト同様、細いLEDが採用された。その下には大型のエアアウトレットが装備されているが、このエアアウトレットは後退灯、方向指示器としても機能する。
後退灯、方向指示器としても機能するエアアウトレット
ドアはシザータイプとガルウイングタイプの組み合わせ。これらを跳ね上げてドライバーズシートに座れば、ステアリングの後ろに2つのディスプレイが見える。
手前のディスプレイは走行速度やバッテリー残量などをドライバーに知らせるメーターとしての役割を果たす。その後ろの幅の広いディスプレイはバックミラーとして機能する。
センターコンソールにはiPadを縦置きにしたような大型のディスプレイが取り付けられた。こちらはインフォテインメントの機能を提供する。
インフォテインメントの機能を提供する大型ディスプレイ
GFG Styleの創業者であるFabrizio Giugiaro氏は、“運転するのが気持ちよいクルマ”の未来を想像した結果「Kangaroo」というコンセプトにたどり着いたとしている。「Kangaroo」では1台のクルマでトラックでも砂地でもダートでも雪道でも、どんな路面状況であっても、他のクルマよりも速く気持ちよく走れる。それを最新の技術で実現するのが「Kangaroo」のゴールであると、Fabrizio Giugiaro氏は述べている。