キット:「まだやるのですか。前回の評判が良くなかったから、打ち切りだと思っていました」
マイケル:「編集長の耳に入らなければいい。とりあえずシリーズ続行だ」
キット:「はい、はい」
マイケル:「やる気がなさそうだな。まぁいい。今度はしゃべるバイクの話だ」
キット:「人の助けがなければ立っていられない奴の話を聞いてもしかたありません」
マイケル:「いや、それが面白いから聞け。ヤマハ発動機が配信しているスマートフォン用無料アプリで、バイクのエンジン音を人間の言葉に翻訳するらしい。『Rev Translator(レヴトランスレーター)』って名前で、iPhone 用(iOS 版)と Android 用がある」

マイケル:「『ずっと言葉にできなかったエンジンたちの思い』が分かるぞ」
キット:「役に立つのですか」
マイケル:「『ずっと言葉にできなかったエンジンたちの思い』が分かるぞ」
キット:「なんですか、それは。あんな鉄の塊に思いなんてありません」
マイケル:「そういうが、A から F まで6つある性格の違う翻訳機から好きなのを選んでエンジン音を聞かせると、喜怒哀楽が表示されるんだ」

思わずフル スロットルしたくなる
キット:「喜怒哀楽って…… どんな風になるのですか」
マイケル:「例えば、こんな台詞がある。『朝からブンブンだぜ!! いつかこうして話せる時が来るかなと思って、ずーっと楽しみにしていたんだ。でも、いざチャンスがやってくると何もできないものだなあ』」
キット:「イケイケなのかシャイなのか、分かりにくい性格ですね」
マイケル:「これはどうだ。『こんにちワンワン あっちゃー、洗濯物干しっぱだ…。天気予報雨って言ってた?よく黙ってればかわいいのにって言われんだけど、黙ってたら私じゃないからね!きゃははっ!』」
キット:「もう帰っていいですか」
マイケル:「台詞の組み合わせは1億通り以上だし、時刻や天候でも変わるから、キットの気に入る奴もいるさ」
キット:「まぁ、日本人は擬人化が好きですから」
マイケル:「キットこそ擬人化の最たるものだろうに」
キット:「ほかに何か機能はあるのですか」
マイケル:「翻訳をするたびに“くじ”を回せるポイントが貯まって、ヤマハ製品をデフォルメしたレアなキャラクタが集められる」
キット:「個人的には、VMAX より SR400 が気になります」
マイケル:「魅力が分かってきたようだな」

キット:「VMAX よりも SR400 が気になります」
キット:「ところで、ヤマハ以外のバイクのエンジン音を聞かせたらどうなるのですか。H とか K とか S とか。自動車のエンジン音はどうですか」
マイケル:「やばい、編集長が来た。逃げるぞ」