
「Connected Cycle」は、GPS を内蔵した自転車用のペダル。現在位置を測定し、専用クラウドサイトに送信する機能を持っている。GPS 以外にも様々なセンサーを内蔵。移動距離、高度、平均速度、最高速度、乗車時間、燃焼カロリーなどを計測し、データ化してクラウドに送信可能だ。データは、スマートフォンアプリで表示できる。


でもなぜ他のパーツではなく、“ペダル”に GPS を搭載したのだろうか?その理由は電力の供給源にある。「Connected Cycle」には発電機が搭載されており、サイクリストがペダルを漕ぐ力で発電して GPS や各種センサーに電力を供給しているのだ。このシステムの採用により、電池交換や充電の手間が不要になった。

「Connected Cycle」の最大の売りは、盗難自転車のトラッキング機能だ。誰かが「Connected Cycle」が搭載された自転車を盗もうとした場合、利用者のスマートフォンには警告メッセージと、盗まれた自転車までの最短ルートが表示される。同様の機能を持つ製品は他にもあるが、それらの多くは充電が必要なタイプ。自転車泥棒はバッテリーが切れるのを待てば、盗んだ自転車を自由に乗りまわせるようになってしまうのだ。だが「Connected Cycle」では、自転車泥棒がペダルを漕いだ瞬間に、現在位置を本来の持ち主に知らせてくれる。

自転車泥棒がトラッキングされていることに気付き、ペダルを取り外そうとしても簡単にはいかない。ペダルの取り外しには、本来の持ち主が設定したコードキーの入力が要求される仕組みになっている。
ペダル発電システムのメリットは、盗難防止だけではない。走行データを常に記録したいサイクリストにとっても便利だ。GPS での現在地測定とその他センサーによるデータ計測は、利用者がペダルを漕いだ瞬間に自動的にスタート。電源スイッチの入れ忘れを防ぐことができる。

Indiegogo で149ドル出資すると入手できる。キャンペーン終了後の市販価格は220ドル。出荷時期は2015年12月頃を予定している。

さて、最後に残念なお知らせをひとつ。「Connected Cycle」は、専用クラウドへのデータ送信に GSM および GPRS 規格準拠の通信網(いわゆる、2G 回線および2.5G 回線網)を使用している。このため、日本では利用できない。「Connected Cycle」が3G 回線に対応するのを待ちたい。