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ハンドルいらずの「自動運転車」賛成?反対?―「高齢者に必要」「ドライブの楽しみ無くなる」

IT企業や自動車メーカーが開発を進める「完全自動運転車」。目的地を入力すれば、ステアリングを握らなくても目的地へ運んでくれるクルマ。その普及にドライバーは賛成か、反対か、SBIホールディングスが調査結果を発表した。

Google(グーグル)の自動運転車にはステアリングもペダルもない…

SBIホールディングスは自動車保険見積もりを一括請求できるWebサイトを運営している。4月27日~5月10日の期間に同サイトでアンケートを実施し、2,658人から回答を集めた。

まず「完全自動運転車」にどんな印象を持つかと聞くと、「便利!是非乗りたい!」などの好意的な意見から、「なんだか怖い、本当に誤作動なく動くの?」など不安に思う意見などさまざまだという。今後の普及については、賛成が64.5%にのぼった。

賛成の方が多いそう

理由としては以下の通り。

・高齢者が増える中で田舎の交通手段の確保のために必要不可欠と考える。
・疲労軽減、渋滞削減。
・高齢者や運転中の急病人による事故減少が見込めるため。
・人的判断ミスによる事故が減少しそうだから。
・高速道路などは単調で疲れるし渋滞時には自動運転があると遠出も気軽に行ける気がする。

やはりドライバーの高齢化問題を挙げる意見が目を引く。特に地方のクルマ社会では、体力や集中力が落ちてきたらすぐに運転免許を返納、と簡単にいかない交通事情がある。自動運転車がそうした問題の処方箋(しょほうせん)になれば、と期待が集まるのも無理はない。

一方、反対という人の意見も聞いている。次のようなものだ。

page 自動運転て故障しない?運転がつまらなくなるんじゃない?!・運転する楽しみがなくなる。事故を起こした際の責任の所在が不明。
・危険回避は必要と思うが、ドライブの楽しみが無くなる。
・やはり、機械は故障するから頼り過ぎるのは良くないと思う。運転技能が低下する。
・装置の安全性に不安がある。

安全性について言えば、公道試験をしている米国Google(グーグル)の自動運転車が7月までに見舞われた事故は、すべて人間が運転するクルマからの「もらい事故」だそう。とはいえ、まだまだ試験段階の技術に十分な信頼を寄せられないのは当然とも言える。

またドライブの楽しみがなくなる、という懸念も気になる。どんなクルマを買うかは個人の自由のはずだが、住宅・駐車場面積が限られる日本で、家族がステアリングもペダルもない「安全」で「低廉」な自動運転車を欲しがったら、果たして従来のクルマと2台おけるだろうか、とついつい考えてしまう。

ところで話は変わるが、今回の調査では、すでに実用段階である自動ブレーキなどの運転支援システムについても尋ねている。こちらも「いらない」という人はいるものの、大半は装備したいと考えている。

運転支援システムはもう普及の段階に入りそう

過去にクルマを購入した際、運転支援システムの有無がどのような意味を持ったか尋ねたところ、「とても」「やや」影響したという回答が合わせて過半数(61%)だったが、実際にマイカーに運転支援システムを装備している人は8.4%と少ない。

クルマの購入に影響したという人は多いが、実際の装備は少な目

装備していると答えた人に、どんな機能かと尋ねたところ「自動ブレーキ」「車両検知(接触回避)」が比較的多かった。

装備している人の中では自動ブレーキなどが多い

今後クルマを買い替えるときにどんな運転支援システムを搭載したいかと問うと、「特に必要ない」という人は21%いたが、ほかは前向き。「自動ブレーキ」が62%、「車両検知」が40%、「居眠り防止」が36%という順になった。

次のマイカー購入では大半が何らかの運転支援システムを望んでいる

将来こうした運転支援システムが当たり前になった暁には、果たしてドライバーの完全自動運転車に対する意識はどのように変化しているのだろうか。興味深いところである。
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