なんと、国際宇宙ステーション(ISS)から見た地球の映像が生中継される時代がやってきた。まさに宇宙版「世界の車窓から」だ。ライブ映像配信サービス Ustream のチャンネル「
ISS HD Earth Viewing Experiment」で見られるので楽しもう。さらに、NASA の Web サイトでは、Ustream の生中継映像だけでなく、ISS の現在位置が世界地図と Google マップに示される。これなら、ISS の居場所を確認しつつピースサインを全世界に流すタイミングがつかみやすい。
この生中継の目的は、ビデオ撮影機材の宇宙空間における機能や耐久性などを検証すること。高度が 400km 程度という比較的低い軌道において、放射線から受ける影響を確かめたいとしている。
コロンバス外部に取り付ける撮影装置
(出典:NASA)
撮影は、市販されている高精細(HD)撮影可能なビデオカメラ4台で行う。カメラは、圧力と温度が保たれた装置に格納し、欧州宇宙機関(ESA)が ISS で運用中の実験棟「Columbus(コロンバス)」の外部に取り付けてある。4台のうち1台は ISS の進行方向、2台は後ろ、1台は真下を向いており、映像配信するカメラは自動的に切り替えられる。
画面が真っ黒になることがあるが、これは ISS が地球の夜になった部分を飛行しているためだ。また、灰色のときは映像配信しているカメラを切り替えているタイミングだという。映像に音声はついていないので、好みの音楽などを流して楽しもう。
なお、この撮影装置の製作や実験の運用には、
米国航空宇宙局(NASA)の教育プログラム「
High Schools United with NASA to Create Hardware(HUNCH)」を通じて米国の高校生が主体的に参加している。