そんな未来予想図にあったのが、透明な球体の自転車「インサイドギア車」。これは搭乗者が球体の中に入り、ペダルを漕いで前進するという自転車です。実現すれば、雨の日の自転車移動が楽になると言われていました。実は筆者、インサイドギア車の登場を心待ちにしていました。
残念ながらインサイドギア車は実現しませんでしたし、今後も実現することはないでしょう。でも、それによく似たルックスの電動バイクが登場するかもしれません。

マヒンドラが支援するプロジェクト「GenZe」は、都市の通勤者向け電動バイク「超省スペース(Ultra Small Footprint:USF)」ビークルを開発しています。担当するデザイナーは、GenZe の Alex Langensiepen 氏。同氏は2025年の東京で USF ビークルを走らせるため、このプロジェクトに取り組んでいるそうです。

子どもの頃に学習雑誌で見た「インサイドギア車」そっくり?
USF ビークルの特長は2つ。1つは、雨の日にも利用できること。これは、雨季の長い日本にはありがたい機能です。もう1つは使用しないときには折り畳めること。これにより、わずかなスペースに駐車できます。Langensiepen 氏はこのアイディアのヒントを、必要な時に現れ、不要なときには消える SF 映画の乗り物から得たと述べています。

雨の日にも走行できるよう、USF ビークルにはレインシールドが取り付けられています。レインシールドは、お天気センサーがコントロール。雨が吹き込んでくる方向を検知し、その方向に自動的に移動します。これにより、完全とは言えないまでも搭乗者が濡れることを最大限防ぎ、それでいながらオープンエアの解放感も残しています。

駐車スペースの削減は、USF ビークルを二枚貝のように折り畳むことで実現。これで、狭い駐車場にも駐車可能になります。このアイディアは、折り畳みの車椅子から得たものだとか。


東京は、世界一効率的な公共交通機関のある街。電車は常に時間通り正確に動いています。でも、通勤電車はいつも満員。このせいで、東京で働く人の仕事に対する満足度はかなり下がっているという調査も。でもこれは、通勤が楽で楽しいものになれば、仕事の満足度もあがることを意味しています。
Langensiepen 氏は USF ビークルで東京の通勤を変え、通勤者にワクワクを届けたいと語っています。そうすれば、東京の通勤者はもっと幸せになれるはず!
ワクワクできるか?はちょっとわかりませんが、USF ビークルが小型で軽量なのは間違いなさそう。自動車通勤をしている人が USF ビークルに乗り換えてくれれば、東京の渋滞は緩和され、大気汚染も改善されるかもしれませんね。
