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後ろ半分しかない自転車「Halbrad」 ― 自転車を折り畳むのが面倒なら、半分にすればいいんじゃない?


折り畳み自転車の欠点は、折り畳み/展開が面倒なこと。ジョイント部に指をはさんで怪我をしたり、チェーンに触れて手が油まみれになってしまった経験を持つ人は少なくないだろう。折り畳み/展開にかかる時間も馬鹿にならない。

とはいえ、折り畳み自転車に対する需要はそれなりに高い。駐輪場のない部屋での保管や、電車バスなどの公共の交通機関への持ち込みでは、折り畳み自転車は便利だ。

であれば、折り畳んだ形状のままで走行できれば良いのでは?そんな発想から生まれたのが「Halbrad」。ドイツのFelix Kruschardtさんとそのチームが開発した。

ダイヤモンドフレームの“前三角”を取った自転車「Halbrad」

「Halbrad」は、前半分をばっさり切って捨てた自転車。ダイヤモンドフレームの前三角部分を取り去ったと考えれば理解しやすいかもしれない。大胆なデザインではあるが、これにより、高さ約99x長さ約70センチというスモールサイズと、わずか9キロという軽さを実現した。

本来前半分にあるべきものは、位置を変えるか、サイズを変えて存在している。たとえばハンドルはサドルの後ろへとその位置を変えた。前輪は小さくなり、ペダル直下に置かれている。

ハンドルは、サドル後ろに

前輪が小さくなったために、ハンドル操作はやや難しくなったという。だが後輪のサイズは通常の自転車と同じ。このためペダルを漕ぐ感覚にはそれほど違和感はないそうだ。

ペダル直下に置かれ、方向転換を担う前輪
小さい…。

後輪は通常サイズ
ぺダリングに違和感はない

ハンドリングが難しくなるなどのデメリットがある一方で、サイズが半分になったことによるメリットは大きい。何よりも9キロという重量は、「Halbrad」を電車やバスに持ち込む際や、かついで持ち歩く際には大きなプラスとなるだろう。

重さは9キロ!
10キロの米よりも、軽い!!

ハンドルにブレーキレバーが無いことに不安を覚えた人もいるかもしれない。だが、後輪には、ペダルを逆回転させて作動させる「コースターブレーキ」が搭載されている。

コースターブレーキを採用

Kruschardtさんとそのチームは現在、ドイツのクラウドファンディングサイトstartnextで出資者募集のキャンペーンを実施中。入手に必要な出資額は1,250ユーロに設定されている。

残念ながら日本への配送には未対応。入手できたとしても、「Halbrad」に保安部品(前輪ブレーキ、ベル、灯火器類など)を装着するのは困難だろう。装着しても、「Halbrad」は日本では自転車とはみなされず遊具扱いとなり、交通の頻繁な道路での走行は許可されない可能性がある点には留意されたい。

欧州各国では、毎週のように「Halbrad」のようなユニークな自転車が登場する。目的はもちろんCO2の削減。そのために、多くの人が、公共の交通機関に持ち込めるサイズの自転車を開発している。「Halbrad」は、欧州がCO2削減に本気で取り組んでいることをリアルに感じさせる1台といえるだろう。

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